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チュニジアの椰子の木

2年前にチュニジアで始まった「アラブの春」という名の革命は、あっという間に北アフリカを始め、私の住むエジプトも、そしてアラビア半島等、アラビア語圏の多くに広まった。

あくまでも砂漠ブログなので、その革命については敢えて触れませんが、今も続くその革命によって、気軽に行ける砂漠が極端に減ってしまったのは確かだ。そんなこんなで、この砂漠ブログも更新する数が減ってしまったわけですが、時折、気が向くままに沙漠の記憶を辿っていきたいと思う。

革命以来、2年ほどの月日が経った中、私がその間に訪れた「砂漠」は、カタールの砂漠、オマーンのワヒバ砂漠、アラブ首長国連邦のアブダビから車で2時間ほどの砂漠だけだ。以前に比べたら、その数は極端に減った。

エジプト国内は、国土のほとんどが沙漠のようなものなので、砂漠を意識し目的としなくとも、普通に遺跡に行けばそこは沙漠といった感じだから、考えようによっては国内どこに行ってもそこはさばく。そう思えば、革命後もあちこちに行っている。また、カイロも砂漠の中の都会と思えば毎日沙漠にいることになるのかもしれないわけだ。しかし、いかにも砂漠といった場所、何もない広大な砂の世界は、この2年間で、ファイユームオアシスからアクセスできる砂漠にしか行っていない。まあ、考えようによっては、カイロから車でたった1時間弱で砂漠の中のピラミッドに行けるわけだから、敢えて砂漠を意識しどこかに遠出する必要が無いのかもしれない。

私の好きなサハラ砂漠を含む北アフリカの砂漠で、現時点で比較的治安を気にせずに個人で行ける砂一面の場所というと、もしかしたらモロッコの砂漠だけになるかもしれない。

大好きなリビアの砂漠には当分行けそうにないのは非常に残念で、もうひとつチュニジアの不安定な情勢が続く中、チュニジアの砂漠に行けないのもなんとも残念だ。早く、また行けるようになることを祈るのみ。

チュニジアもモロッコやリビア同様に南部はほぼすべてが沙漠。さばくとは言っても、一般にイメージされる砂の砂漠から、土漠のような場所、そして私の大好きなシナイ沙漠のような岩沙漠、山沙漠がある。山沙漠などという呼び方は本当な無いのだろうが(笑)

日本の山のように緑あふれる山ではなく、砂色の岩山が連なる場所。そこは山というよりは、やはり沙漠にしか思えない。そんな山の中に椰子の木がみずみずしいオアシスがいくつも現れる場所。

私にとって、砂漠の植物といえばまずは椰子の木。
初めてモロッコのメルズーカに行ったときに、砂丘の中にたった一本の椰子の木が生えていた。その光景が強烈に印象に残って以来、私にとって椰子の木は沙漠とは切っても切れないイメージとなった。

チュニジア南部、サハラ砂漠の山岳オアシスであるタメルザの椰子の木。
タメルザへは、トズールという大観光オアシスから比較的楽にアクセスできる。確か記憶では、トズールから車で1~2時間程度だった。トズールへは国内線の飛行機や長距離列車やバスがあった。
チュニジアにはしばらく行っていないので現在どうなのかは分からないが、チュニジアの情勢が落ち着いたらまたぜひ行ってみたい場所だ。

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テーマ : 旅先での風景
ジャンル : 旅行

サハラの白い砂 White Sands in Tunisia

サハラの砂には赤い砂、黄色い砂、白い砂がある。
そのどれもが美しいが、太陽や月によって何色にも色を変える白い砂が好きだ。

最近、物騒なニュースも少なくないサハラだが、平和を祈るように砂丘の月を想い出す。

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砂漠はひとりで a Camel Driver

砂漠では、ひとり静かに風の中の砂を感じながら時を過ごすのが好きだ。
しかし、ひとりで見知らぬ砂漠に足を踏み入れるのはかなり愚かなので、
砂漠の遊牧民や砂漠のガイドと一緒に動く。

陽気で賑やかな遊牧民よりは、静かで言葉少なめの遊牧民がいい。
たった数日間でも砂漠の旅を終える頃には、交わした言葉の数と反比例して、
その遊牧民を昔から知っていたかのような錯覚に陥るから不思議なものだ。

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サハラの存在 sahara

世界中に数多く存在する、地球の表面をサラサラした砂で覆う砂漠。
地球の表面そのもののような岩沙漠。
どこの砂漠を見ても、そこには大きな砂丘があり、ごつごつした痛そうな岩がある。
そんなあちこちにある砂漠の中で、僕は北アフリカのサハラ砂漠とアラビア半島のアラビア砂漠にのみ強く魅かれる。

サハラ・・・アラビア語で砂漠をサハラというので、サハラ砂漠はサバク砂漠。
そのサハラというサラサラした響きが好きだ。

サハラに行ったのは、砂漠ギツネが本当にいるのか、この目で確かめたかったのかもしれない。

サハラ砂漠は、やわらかく、やさしく、どこか哀しい。

僕はサハラに「母」の存在のような大きなやさしさを感じるのかもしれない。

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謎の枯れ木 Isolation

砂漠では、時折、理解に苦しむ謎のモノに出会うことがある。
チュニジアのサハラ。
大観光砂漠のドウーズから、更に4WDで奥地に3~4時間ほど行った砂漠の中で見つけた「木」。
流木のようにも見えたし、単なる枯れ木にも見えた。
周りを見ても、視界の中に木は1本も見えなかった。
どこからか飛んできた枯れ木なのか、誰かがわざわざ何かの理由で運んできて落としていったものなのかは謎だったが、その5m以上はあった大きな「枯れ木」は、砂の中に横たわっていた。

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