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エル・カーブ El Kab

気がつくと2014年も終わりに近づいていた。

今年は夏にたった一度このブログを更新しただけだった。
過去の砂漠の記憶から、記すことはたくさんあるのだが、なんとも気が乗らなかった。

夏に記したように、北アフリカ、アラビアの砂漠で安全に行ける場所が極端に減り、夏以来、エジプトの砂漠に関しては、西方砂漠が、砂漠内でのキャンプが安全上禁止となり、現時点(2014年12月)では、白砂漠に日帰りのみOKのようだ。

考えてみると、砂漠で最後にキャンプをしたのは2010年だった・・・その後に砂漠には幾度か行っているが、テントで寝袋で寝るということをしてから、いつの間にか4年以上も経ってしまったわけだ。砂漠キツネが日没とともに出没する音の無い乾いた世界が懐かしい…。

さて、そんな情勢から、今も問題なく行けるモロッコの砂漠やオマーンの砂漠にも今年は(も)行かず、しかし、エジプトの砂漠の遺跡にはいくつか行った。

その中で、興味深かったのが、このエル・カーブの墓遺跡。

比較的(いや、かなり。笑)簡単に行けるので秘境とはとても呼べないが、一般的には足を延ばさない場所だろうか?

ルクソールから車でエドフに向かって東岸を1時間半ほど行った道路近くのサバクの丘の上にその墓遺跡がある。
ほとんど観光客が寄らない場所なので、ゆっくり独り占めで見学できるのがいい。

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時代的には、誰でも知っているであろうツタンカーメン等の存在した一番派手な時代・・・新王国時代の墓だ。
その割には、いわゆる派手な神々の絵はほんの少ししか無いことに驚いた。例えば鳥の頭を持つホルスやら、ワニの神やらの絵が、あまり見られず、人々の生活が多く描かれている。

この下の画像は、墓の入口。ここには比較的(?)新王国時代らしいレリーフがあった。

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見学できるのは4つの墓のみ。その丘の上の墓から下を見下ろすと、大きな泥煉瓦の壁が見える。城壁のようなものだ。厚さが10数メートル、高さもそれくらいだろうか?
その泥煉瓦の中に入ることは禁止されているのだが、他では見ることの出来ない光景なので、なかなか興味深かった。壁の向こうがどうなっているのか非常に興味深い。

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エジプトは広く奥深い。
長年、ここで生活しあちこち見たつもりでも、まだまだ見ていない興味深い遺跡や土地がたくさんある。
ガイドブックに記されていない興味深い場所も実は数多い。(このエルカーブはほとんどのガイドブックに記されている)

歴史は繰り返すというが、古代エジプトにも不安定な時期が数多く存在しながらも、その偉大な歴史は続き綴られてきた。
現在、不安定な現代エジプトや北アフリカやアラビア語圏ではあるが、「そんな時期もあった・・・」と長い歴史の中に於いては、砂漠で一瞬舞う砂埃の、ほんの一粒の砂程度のことなのかもしれない。

平和の訪れを心から願って、2014年終わりに。

Happy New Year 2015 !
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テーマ : 海外旅行記
ジャンル : 旅行

貴族の谷 

エジプトでは、ほとんどの遺跡が沙漠の中にあるのですが、ピラミッドやアブシンベルの次に有名な場所といえばルクソール西岸だろうか?西岸のメジャーなところでは、王家の谷がまず挙げられる。王家の谷の墓の壁画は素晴らしいものがあり、ツタンカーメンの墓が発掘されたのもその王家の谷だ。

その他にも西岸には興味深い遺跡が数多いのだが、壁画のある墓で、あまり多くの旅人が立ち寄らない場所に貴族の墓、または貴族の谷と呼ばれる場所がある。

観光客が少ないのでゆっくり見学ができ、その墓の壁画はなんとなくシックな感じがして私は好きだ。何よりも他の遺跡と同じく沙漠のど真ん中にあるのがいい。

エジプトの古代の墓を見るたびに、古代のエジプトも沙漠は今のように暑かったのだろうか?あの暑い中で岩を掘ったのだろうか?という素朴な疑問が浮かぶ。

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遺跡が多いとはいえ、ルクソール西岸には多くの人々が住むので、こんな感じに人々や働き者のロバとすれ違うことが少なくない。

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砂漠の中を悠々と

空からエジプトを見下ろすと、ナイルが砂漠の中を流れる大河だということが良く分かる。
砂漠のど真ん中を砂漠を負かすかのように、砂漠よりも力強くリラックスした平気な顔で悠々と流れる河だから、僕はナイルが好きなのかもしれない。

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ヌビアの砂漠 Desert in Aswan

南エジプトへは古代遺跡が目当てで訪れる人がほとんどだろうが、その砂漠も悪くない。
ラクダにも乗れるし、ロバにも乗れる。アクセスも簡単なので、遺跡観光ついでに「ちらっと」砂漠を味わうにはいいかもしれない。
エジプトで砂漠を見るのに、バスに長時間揺られてオアシスに行かなくとも、遺跡観光ついでに砂漠は何処にでもある。

また、わざわざ砂漠が目当てで南エジプトに訪れる人は皆無なので、観光客だらけのバハレイヤあたりよりも、南エジプトの方が「誰もいない砂漠」を味わえるように思うし、河からすぐなので、遭難する心配も無い(笑)ラクダやロバと頻繁にすれ違う。
土漠や岩沙漠的なルクソールよりも、ヌビアはアスワンの西岸の砂のある砂漠を数時間のラクダの散歩が魅力的だと僕は思う。
ただし、夏は暑すぎる上、日差しが強烈なのでご注意を。

ここの砂漠が気に入ったら、ヌビア砂漠のスーダンの砂漠が魅力的らしい。僕もいつの日か、スーダンの砂漠の湖に行ってみたいものだ。

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大河に一番近い砂丘 The nearest desert from the Nile

カイロ以南の大河ナイルの両側はほぼ全てが砂漠なので、どこも砂漠となるのだが、僕にとってこれぞ砂漠!と感じさせてくれるのは南エジプトのアスワンのこの砂丘だ。空と大河の水の青と砂漠色のコントラストはやっぱり美しい!というか、大好きだ。

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