旅の終わりに The last day in Bahraiya Oasis
朝。ゆっくり目を覚まし、オアシスの中を散歩し、午後3時のバスでカイロに向かった。
2時間ほど砂漠の中を走った頃に、突然バスが煙を出して止まった。
それは煙ではなく、運転手の居眠り運転で砂漠に突っ込んだ為の砂埃のようだった。
怒り怒鳴る乗客たち。パニックする運転手。
タイヤが砂にスタックしてしまい動かない。全員降りた。
10人ほどがバスを押してもびくともせず、どんどん砂に埋まっていく。
僕は心配にもならず、驚きもしなかった。たかが、突っ込み事故だ。衝突したわけではない。
一人、2人と砂の上で祈りだした。
半分以上の乗客が祈りだした。
その直後、バスは無事に砂から抜け出れた。
それから1時間後、途中の砂漠の休憩所で、頭から血を流して死んでいるような犬がいた。
行きの時にここで写真に撮った野良犬だった。その写真は今回の旅の記録の中で特に気に入っていた。急に重い気持ちになった。
いったい何がこの犬に起こったのだろうと考えていたら、むくっと起き上がった。生きていた。
少し気が楽になって、バスは出発した。
空は濃い藍色になり、満月の月が出ていた。
チェット・ベイカーをIーPODで聞きながら、窓から月を眺めて、うとうととしているうちにバスはカイロに着いた。
あと何回、砂漠の月が見れるのだろう?と笑われそうなくらい現実的な事をふと思った。
多分、僕はそんな静かに流れる時の記憶をいつか誰かに見て欲しくて記録しているのだろう。

2時間ほど砂漠の中を走った頃に、突然バスが煙を出して止まった。
それは煙ではなく、運転手の居眠り運転で砂漠に突っ込んだ為の砂埃のようだった。
怒り怒鳴る乗客たち。パニックする運転手。
タイヤが砂にスタックしてしまい動かない。全員降りた。
10人ほどがバスを押してもびくともせず、どんどん砂に埋まっていく。
僕は心配にもならず、驚きもしなかった。たかが、突っ込み事故だ。衝突したわけではない。
一人、2人と砂の上で祈りだした。
半分以上の乗客が祈りだした。
その直後、バスは無事に砂から抜け出れた。
それから1時間後、途中の砂漠の休憩所で、頭から血を流して死んでいるような犬がいた。
行きの時にここで写真に撮った野良犬だった。その写真は今回の旅の記録の中で特に気に入っていた。急に重い気持ちになった。
いったい何がこの犬に起こったのだろうと考えていたら、むくっと起き上がった。生きていた。
少し気が楽になって、バスは出発した。
空は濃い藍色になり、満月の月が出ていた。
チェット・ベイカーをIーPODで聞きながら、窓から月を眺めて、うとうととしているうちにバスはカイロに着いた。
あと何回、砂漠の月が見れるのだろう?と笑われそうなくらい現実的な事をふと思った。
多分、僕はそんな静かに流れる時の記憶をいつか誰かに見て欲しくて記録しているのだろう。

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